ひいいの麻雀研究

 0 はじめに
 本ホームページの主旨や目的について。

 はじめに
 麻雀は運が強く作用するものである。しかし、運だけではなく、技量が強さを決める。短期においては、技量の低い人が技量の高い人に勝つこともあるが、長期的に見れば勝敗に技量の差が出るものである。
 麻雀を漫然と打っていては、麻雀の強さ、雀力を増すことはできない。そしてこれまで多くの雀士は自分1人の経験・体験の中において、実験を繰り返し、「こういう牌姿の時はこれを切ればいいんだ」「こういう立直にはこれは切ってはいけないんだ」ということを実にゆっくりと時間をかけて学んで来た。あるいは、論拠不明もしくは論理展開不充分な麻雀ハウツー本に書かれていることやオカルト的に言われていることを鵜呑みにして麻雀を打ってきた。
 他のアカデミック領域は元より、スポーツやゲームに関しては多くの研究がなされてきたが、こと麻雀に関しては、科学的論拠に基づく説明がなされているものや、膨大な実戦データの統計的分析がなされているものが、極めて少ないと思う。つまり、麻雀については語られてはいるが、殆ど研究はされていない。

  [例1]
    両面待ちと単騎待ちを比べると両面待ちの方がいい待ちであると言われる。
    しかしながら、客風(オタ風)の単騎待ちは、出やすい待ちであるとも言われる。
    ものの本には、「両面待ちは2種8牌、単騎待ちは1種3牌ある」と書かれている。
    こんな数値は統計でも何でもない。実戦において何の役にも立たない。
    「36筒の両面待ちと西単騎とでは実戦においてどちらがどの程度和がりやすいか」
    この命題についての論理的な説明はないのか?
    定量的に比較した和了確率のデータはないのか?

  [例2]
    「裏筋は危ない」とよく言われる。
    ものの本には「危ない」とか「最も危ない」と書かれている。
    ではどの程度「危ない」のかというとそういう記述はない。
    裏筋の牌と裏筋でない牌の2枚の「危なさ」の比率はどの程度なのか?


 ここに、私、ひいい(ハンドルネーム)は、自分の体験によって得ている定石やノウハウを多くの人に納得できるように論理的に説明をする、そこでは必要に応じて数学的・統計学的な手法を用いる、そしてそれとともに、大量の実戦データの統計的分析を加えることにより、その信憑性を確保する、という壮大なる計画を進めることとした。
 上記の[例1]と[例2]についても、明確で客観的で定量的な解を出す。

 この計画には完了はない。構想は壮大であるが、考えていることのごくごく一部しかここに記載することがまだできないためである。統計計算や実戦データ分析には多くのプログラムが必要となり、プログラムの設計・製造が壮大なる構想に追いつかないのである。文中に、「統計データ挿入予定」などと書いているのは、そのためである。

 上述の[例1]と[例2]のような話をすると、こういうことを言う人が多い。
   ・それは場況によって違うよ。
   ・東場か南場か何局か何本場か点数差がどれくらいかで違う。
   ・その時の自分の手によって違う。
   ・その時に見えている捨て牌によって違う。
   ・対戦相手の雀力によって違う。
   ・(自分を含めて)各プレイヤーのツキや運によって違う。
   ・自摸の流れによって違う。

 違いがあることは当然である。だから、どうなのか、である。「場況によって違う」→「だからこのようなことを考えても意味がない」というロジックになってしまっているケースが多い。また「場況によって違う」→「だから自分独自の判断が正しいのだ」という唯我独尊に陥るケースも多い。それでは研究は成り立たずにストップしてしまうのである。これらの違いをパターンを分けて分析することも必要であろうし、本来は分けるべきであるが材料が乏しいために括って論じることも必要であろうし、総論を固めてから各論に入るというアプローチも必要であろうと、思う。

 麻雀はゲームであり、ギャンブルに分類されることもあるが、単純な運だけで勝敗が決まるものではない。麻雀には戦略と戦術が必要である。そして戦略には精神論も多く含まれるであろうが、戦術には、論理的で客観的で緻密な分析と計算と対応が必要なのである。

 なお、この研究は、私1人によるものとはしたくない。上記の主旨に賛同する多くの雀士の方のご意見・ご協力を頂きたいのである。


 記述は大きく3部構成とする。

     第1部 麻雀に関する知識

     第2部 手作りの理論

     第3部 待ち読みの理論


 各部のコンテンツは以下の予定である。(殆ど未完)

●第1部 麻雀に関する知識
 麻雀の基礎知識、役、点数計算、ローカル役、様々な麻雀のルール、初顔合わせ時の確認チェックリスト、役満雑記、役満統計、麻雀の格言、運・ツキ・流れについて、変わり麻雀、牌の名前の別名、麻雀用語、麻雀の歴史、麻雀の組織・プロ、イカサマ、ギャグ、捨て牌回文、Jgame麻雀の特性

●第2部 手作りの理論
 手作りの基本、向聴数の把握、手の進め方の様々な条件分岐、麻雀のスキル、上級者・中級者・初級者の定義と特性、打ち方の個人差に関する考察、和了期待点の考え方、牌エネルギー、牌結合エネルギー、受け入れの広げ方、浅く広げるか深く狭めるか、3枚からの捨て牌選択、二嵌の渡りに関する考察、4枚からの捨て牌選択、雀頭を決めるな、中寄せ、浮かせ打ち、決め打ち、手なり、迷彩、安牌持ち、向聴数を増やす時、平和、断幺九、全帯幺・純全帯幺、混一色・清一色、一盃口、三色同順、七対子、対々和、一気通貫、役満、一色手のさばき方、ドラ、ダブリー、搭子成長理論、連嵌の対処、くっつき聴牌、手変わり待ち、連続のエネルギー、ダブった搭子のエネルギー量比較、搭子切りの理論、判断ミスを呼ぶ面子と搭子の複合、攻めながら守り守りながら攻める、敵の和了妨害諸策、筋牌を持つか持たないか、見えてくる牌による方針変更、立直か黙聴かの判断、鳴きか門前かの判断、七対子か面子手かの分岐点、暗刻の扱い、槓の功罪、和了可能でも和了しない判断、好牌先打の原則、点数計算(和了可能性と和了期待点のバランス)、多面待ち考察、ドラ理論、槓理論、振聴とその解消、鳴きの理論、鳴いて切る牌、一発消し鳴き、食い変え、ブラフ鳴き、自摸回避、海底ずらし、二飜縛り、他家の立直は和了のチャンス、役の作り方、親の打ち方、南家の打ち方、北家の打ち方、いい待ちと悪い待ち、両天秤、大敗時の打ち方、座り順に関する考察、初級者の討ち取り方

●第3部 待ち読みの理論
 読みの基本、他家に対する読みの種類、読みのプロセス、和了欲求、和了欲求度基準の設定、危険度の把握の仕方、何巡目に和了するか、べた降り(和了欲求度最低段階)の打ち方、副露可能性がある牌の見極めについて、見えている牌、現物、絶対安牌、両面ノーチャンス、辺張ノーチャンス、国士無双ノーチャンス、役ノーチャンス、ワンチャンス、ツーチャンス、総枯れ状態の時の読み、筋、裏筋、間四軒、跨ぎ筋、疝気筋、立直牌からの読み、そば聴、字牌7牌の切り順、風牌の切り順、三元牌の切り順、字牌が長く持たれる訳、対子切り、辺張搭子切り、嵌張搭子切り、両面搭子切り、ドラ切り、ドラそば切り、ダブ東切り、三元牌切り、端牌と要牌の逆転切り、面子落とし、筋切り、安牌切り、一色読み、国士無双読み、断公九読み、平和読み、全帯公読み、純全帯公読み、七対子読み、三色同順読み、一気通貫読み、副露牌からの読み、副露時の捨て牌からの読み、待ち牌数読み、生牌の危険度、地獄単騎待ちの危険度、ドラの行方、役による裏ドラの数の違い、筋引っかけの読み、字牌端牌単騎の読み、捨て牌順ひっかけの読み、役ひっかけの読み、山越ひっかけの読み、振聴立直の読み、自分に見えていないが他家に見えている牌、一向聴から進まない時の読み、自分だけに見えている牌の有効活用、待ち形態、和了牌、放銃点数読み、二飜縛りの時の読み、読んだ後の対策、回し打ち、向聴戻し、差込、一色読み回し、全帯公読み回し、ダブロンリスク、二人立直の対応、立直者以外の動き、総合実践


 運・ツキ・のり・流れ・伸びなどについては、第1部の中の章「運・ツキ・流れについて」に限って記述することとする。手作りや待ち読みに関して、いくつかの書籍には「ついている親には逆らうな」「鳴いて自摸の流れを変えよ」「引きが強い/弱い」「索子が伸びているので索子を溜めよ」などという記述が多いのであるが、誰がどの程度ついているか、流れにはどのような種類があってそれぞれにどういう特性があるか、伸びの発生プロセスと発生確率などについて論理的に説明できないため、第2部と第3部には記述をしない。
 私が、運やツキや流れなどというものは全く存在しないと考えているかというとそんなことはなく、継続して研究予定なのではあるが、現時点ではもちろん、かなり遠い将来においても、説明・解説にするに足る充分な材料が揃わないと予測するため、参考提示にとどめることとする。
 運やツキや流れなどを信じて麻雀を打っていて強くなれる筈がないと思う。自分だけが理解しているつもりの自分だけの理論を持っても麻雀に勝てるようにはならない。確率論と効率重視とリスク管理によって麻雀は強くなる。これらは研究をすればするだけ能力向上するものである。


 麻雀が巧い人、強い人、打ち慣れている人は、こういう打ち方をする、こういう待ちがあるということがよく言われる。これに関しては考察をして行きたいと思う。個人別という訳にもいかないので、グループ分けをして論じたいと思う。グループ分けは第2部の中で述べる。
 また、「こういう牌姿の時にAを切る/Bを切る」「混一色が多い/少ない」「副露が多い/少ない」などの対戦相手の特性については、象徴的な部分を取り上げて論じる。


 手作りの理論と待ち読みの理論においては、私がオリジナルで創作したいくつかの新しい概念を使っている。
   ・搭子進化理論
   ・和了期待点
   ・和了欲求度
   ・和了危険度
   ・放銃期待点
   ・牌エネルギー
   ・牌結合エネルギー
   ・群論
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